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03 川と宝石

 

今って川みたいに流れて変わっていくもの

それって普通のことさ

かつて世界はダイヤモンドとルビーと

エメラルドで出来てたって言うよ
あの丘が綺麗なメノウ石で

アメジストのスミレが咲いていて

空は磨かれたトルコ石さ

雲の形はずっと変わらない
風が吹いても花は揺れない

だから光は零れない

誰も涙を落とさない代わり

誰も笑顔を作れない

水晶で出来た川は流れない

皆 命を欲しがってたって言うよ
サファイヤの目をして虹の根元を追いかける

サンダルは可愛いピンク

ちょっと傷ついてもほっとけば元に戻るよ

大事な光が

心の底から逃げ出しそうで

いつでも今は日々に濡れて

たくさん足音が過ぎたよ

何してんだろ それも過ぎてく
別れは悲しい 死んで欲しくないとも思う

ずっとこのままで

けどダイヤモンドはこんな上手に輝くさよならは言えない

宝石よりも綺麗な命を持ってる

蜜蜂と花びらが遊ぶ
今って川みたいに流れて変わっていくもの

それって普通のことさ

宝石よりも綺麗な命を持ってる

苦しい胸の中に
風が吹いたら頼りなく揺れる
僕らいつか消える

炎は煌めく 心は変わる

とても神秘的で綺麗

川沿いのすみれ 子供は遊ぶ

消え去る それって普通のことさ

悲しいことさ 素敵なことさ

グッバイ
念願叶って命と悲しみを得た

それが今の世界なんだって言うよ

詞・曲 福永健人 / 福永健人

 

 

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ライナーノーツ from 渡辺啓太郎

生命力を感じる曲というのはジャンルを超えて、素晴らしいと思う。
それはどんな形で曲に表れるか。これは本当にそれぞれ「だけ」の唯一のもの。

 

僕は躍動しているというのか、どこかから強く生命力を感じられるものに昔からよく惹かれていた。
学校のクラスメートや映画の登場人物、考え方や感情。
街並みにしたって、それを描く絵にしたって、それは同じだったなと最近になって思う。

 

 

この曲は、春みたいな曲です。曲調も、景色に色を沢山与えてくれる歌詞も。
春ってのは、長い冬を越えて命が芽生える季節だけど、生まれてくるものはどれも確かなものとはいえない。生まれてはすぐに、
消え去ってしまうものだって沢山ある。
だけど変わらずに在り続けるものもある。
その変わらないし変えることも叶わないものの中で日々変わっていく存在として息をし続けることってのは、凄く残酷にも思えるんだけど、
不確かだから信じられるものもある。

 

生命力ってのは色々な意味でそれとは真逆にあるものたちとの対峙が生むものなのかもしれない。
そしてこの曲はそういう生命力を伝えてくれる。

 

 

と、この曲が無事お手元に届く形になってから考えるに至りました。色々言いましたが、純粋に楽しい曲だと思います。笑

この曲は一番最初の形から、今に至るまで大きなアレンジの変化はないけど、自分の中では、演奏をしていく中でどんどん魅かれていった、そんな曲です。